鷺沢萌「私の話」

しばらく前に、鷺沢萌「私の話」を読んだ。

自伝的小説とあるが、ほぼエッセイと思われる。
’92、’97、’02と5年おきに、著者の生活を写し取っている。
本人みずから「記念作品」と称しているほどらしく、
自らを正面から見つめた、よい内容であった。




著者は、私より少し年下なのだが、18ですでに作家デビューしている。
前にも書いたけど、鷺沢氏のすごいところのひとつは、
若いころから、自分の身の回りに近い内容ではないストーリーを描けることにあると思う。
すごい才能としか言いようがないんだけど、
そして(比べること自体間違っているのだけど)、
自分の無能さが悲しくなるのだけど、
この「私の話」を読むと、解説で酒井順子が書いているように、
もう、生き方の「気合い」が違うなあと思う。
何もしない人には、なにも降りてこないのだよ。




さて、大人買いした鷺沢氏の文庫本を読んでいこう。