白石一文「僕のなかの壊れていない部分」

先週日曜日、白石一文「僕のなかの壊れていない部分」をやっと読み終わった。
きらいではないのだが、なんだか、読んでも読んでもなかなかページ数が進まないって感じ。ちょっと「労働」って感じ。単純に1ページあたりの文字数が多いというのもあるんだけど、リズムもちょっとちがうのかなあ。
でも、内容はきらいじゃない。というか、この人、きっと壊れてるなぁって思う。
ちょっと単純なんだけど、いつも行く精神科に、白石さんの小説「すぐそばの彼方」が、待合室に2冊も置いていあって、それもあってそう思うのかもしれない。著者はきっと、強い違和感を世界に対して感じていて、それが大きなモチーフになっていると思う。
でも、その壊れ加減のわりに、「他人とのつながり」を、古典的な意味で非常に重んじているようで(解説からもそう感じる)、僕には、もうちょっと新しい価値観を提示して欲しいと思ってしまった。多分、著者はもう少し違うことを言いたいのかもと思うのだけど、ちょっとよくわからない。

もういくつか読んでみたいと思っている。