部屋を片付けた。ちょっとだけ。

家を少し片付けた。引越ししてから(3ヶ月くらいまえ)あんまり片付けられなかったんで、すこしすっきりした。

片付けてる最中に、つい最近読んだはずなのに、あれっ?て感じの場所から文庫本が出てきた。鷺沢萠(めぐむってこの字でいいのかな?)「過ぐる川、烟る橋」。彼女は年齢的には僕より少し若くて、若くしてデビューしてたのだけど、僕は名前だけはなんとなく知っていて、でもずっと読んだことなかった。5年くらい前に旅の途中にエッセイを1冊読んで、まあまあって感じだった。それからなんとなく本屋で出てる本の表紙は見てたけど、やっぱり読んでなくて、ちょっと前に亡くなって、それがすごく意外だった。それから気になりだして、古本屋で買ったのがこの本。
すばらしいと思った。どうにもならないことがあるんだということを、物語としては全然派手さはないだけに、逆に説得力を持って訴えてくる。非常にシビアな内容を、淡々と、でもきちんと描いている。
あえて書くと、技術的にすごく優れた(それは技術におぼれるということでは決してない)小説だと思った。好きな小説はたくさんあるけれども、どこか、ちょっとリアルじゃなかったりして、少しずつ納得できないところがあったりしながら、でもそれは小説の訴えたいことが伝わってくればOKと思って好きなんだけど、この小説は、全然そういう小さな引っ掛かりを感じなかった。ある人の言い方をまねると、「言い訳がない」作品だと思う。技術的に優れていると書いたのはそういうこと。(別に僕は小説の技術がわかるわけではないです。)その後、もう一冊彼女の小説を読んだけど、残念ながらこの本ほど良いとは思えなかった。(誤解されるとイヤなんで、一応書いておきますが、悪いという意味では全然ないです。ただ先の一冊がすごかったので。。。)
もう少し彼女の作品を読んでみようと思っている。